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Selfishly

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3月



3月 一緒にどこまでも

            H17,12,25 17:30


身を切るような風が吹きすさぶ時期を過ぎ、
近頃は 寒い中も、ふと暖かさを感じる風が
通り過ぎるようになってきた。
街でも、重いコートを脱いで 手に持つ者や、
早い者は、軽めの明るい色合いのコートを着ている。
段々と、気候に合わせて 街の装いも華やかになってくる初春。

司令部では、外の変化に変わらず 同じような日々が繰り返されている。
2月14日には、『ホークアイ中尉には 逆らうな!』記念日が
新しい軍の記念日として設立され、
影のTOPが誰なのかを、皆にわからせたりしながらも
変わらず過ぎて行く、忙しい毎日を皆が過ごしていた。

先月の14日には、ホークアイ中尉を怒らせ、
涙にくれる日を過ごすことを余儀なくされた
無能な上司も、今は せっせと仕事に取り組んでいる。

「大佐、 そちらが終わりましたら
 こちらの書類(の山)を本日中に宜しくお願いします。」
ずしっと音が聞こえてきそうな書類を、目の前に詰まれ
ちらっと中尉を見るが、すぐに書類に目を向けて
「・・・わかった。」と一言 小さく返す。
先月の報復を身にしみて経験する事になった上司は
最近は、彼女を恐れているふしがあり、
大変、素直に言う事を聞くようになった。

「お願いします。」
と大佐の勤務振りに満足してか、
にこりと笑顔を浮かべてさえいる。

先月、仕事をさぼりまくった大佐におしおきをと、
2月14日に、 楽しみに待ちに待っていた上司の思惑を
あっさりと覆し、エドワード達を自宅に呼んだ彼女は、
楽しい1日を過ごし、
変わりに ロイは、泣きに泣く1日を過ごすことを余儀なくされた。

が、優秀な副官の彼女は その後のフォローも万全で、
翌日から 使い物にならなくなる上司への対策として
エドワードと一緒に、チョコレートケーキを作る事にし、
ちゃんと 彼に大佐へ届けさせるという策を用いて、
上司のテンションをコントロールしていた。

14日のホークアイ中尉の自宅では、
「エドワード君、デザートは一緒に作りましょうよ。」
とキッチンに誘い、仲良く作っている。
「中尉、料理が す~ごく上手いんだなー。」
中尉の腕前に感心するエドワード。
「そんなことはないわよ。
 エドワード君の方が、男の子なのに すごいじゃない。」
互いの腕前を褒めながら、楽しくケーキ作りに励んでいる。

「あれ? 中尉。
 ケーキの数が多くない?
 俺ら、そんなに食わないよ。」
ホークアイ中尉が準備しているケーキの型が 
とても、3人で食べきれるような数ではないし、
しかも、ホールで作っているのだから、
いくらなんでも、多いのでは?とエドワードが聞く。
「せっかくだから、軍の皆にも作ってあげようかと思って。」
と答える彼女に、
『さすが、女性の人は 心配りが良いな~』と素直に感心したりして、
「そうだな! 皆にも作ってやるか。」と
中尉の思惑も知らずに、嬉々として取り組んでいく。

そして、翌日。
「じゃぁ、エドワード君は 大佐に届けて頂戴ね。」
はいっと渡されたケーキの箱を受け取り、
「え?俺が。」
でも、中尉も一緒に行くのにと不思議がる彼を
「大佐、仕事が立て込んでて
 皆と食べる暇がないと思うの。
 軍のメンバーには、私が切り分けて食べさせるんで、
 エドワード君は、大佐に用意して上げてくれる?」
優しく微笑みながら言われると、逆らいづらく
「う、うん・・・。」と返事をする。
後ろを歩くアルフォンスは、そんな中尉を見て
『さすが、中尉だな~。』とうんうんと鎧の首を
しきりとうなずかせている。

司令部に着き、それぞれがケーキを渡しに行こうとすると
「エドワード君」と中尉がエドワードを呼び止める。
「なに?」
中尉には素直なエドワードは、振り返り首を傾げて
呼びかけの先を聞こうとする。
「そのケーキなんだけど、
 大佐に渡すときには 『俺が作ったんだけど。』って
 言って欲しいの。」
「?」
不思議そうな顔で見返すエドワードに、
「私も作ったとか言うと、また 作ってきて欲しいとか
 言われると困るの・・・、私も忙しいし。
 でも、エドワード君なら そんな無理も言われないでしょ?」
「そっか~、そうだな。
 大佐、我侭だから また作ってこいとか言いそうだもんな~。
 中尉は 大佐の見張りだけでも忙しいのに、
 言われるたびに作る時間もないよなー。」
「そうなの・・・、上司の言葉には逆らえないし。」
少し困った顔を見せる彼女に、男の子らしく守ってあげなきゃな
気分にさせられたエドワードは、
わかった!と元気良く大佐の部屋に入っていく。

後ろからは、アルフォンスが中尉に こそこそと話しかけている。
「中尉、すばらしい手腕ですね。」
「これ位は、ご褒美を用意しないと
 明日からの職務に影響するのよ。」
「けど、兄さんの操作方法も抜群でしたよ。」
「エドワード君は、素直な子なんで
 変に凝るよりはシンプルに行く方が良いでしょ?
 大佐も 変に拘ったり、凝ったりしなければ
 もっと、スムーズに行くと思うんだけど・・・。」
 はぁ~と扉の向こうを見つめる彼女に、
「そうですね。
 でも、大佐の場合は 自分の趣味もあるんじゃないですか。」
やたらと ロマンチックが好きそうな大佐は、
ロマンチックの欠片も持たないエドワードには
伝わらないという事に気づけてないようだ。
「本当ね。
 歳の差を考えても、はっきり伝える方法でないと、
 エドワード君には、全く伝わらないでしょうね。」
まぁ、仕方ないわと方をすくめて 皆がいる所に戻っていく。
アルフォンスも、皆に混じる為に付いていく。

「大佐いる~。」
元気良く入ってきたエドワードを、ちらっと恨みがましい目で
机の向こうから見る人物が一人。
「なんだよ~、しけた面して。」
対照的に 元気溌剌なエドワードを見て、
「はぁ~」とため息をつく。
そんな大佐の行動に、疲れてるんだなと大佐の心中を
全く解さずに、答えを出す。
「ほら、元気だせよ。
 ケーキを作ってきてやったぜ。」
持って来た箱を目の前にかざしてやる。

「作ってきた・・・?」
目の前に出された箱を、まじまじと見る。
「そうだぜ、感謝しろよ!
 俺が、大佐の為に作ってやったんだぜ。」
誇らしそうに告げるエドワードの顔を見て
彼の言葉を反芻する。
「君が、私の為に、ケーキを、作って・・・くれた?」
「そうだってば~、食べるだろ?
 これを食べれば、疲れもすっとぶぜ。」
「エドワード・・・・。」
感動の余り、名前で呼んでしまっていたが
エドワードは、箱を開けるのに集中していて
小さくつぶやかれた声は耳に入っていない。

「ほら!」
箱の蓋を開けると、そこには・・・・。
小さなハート型のチョコレートケーキ。
ホークアイ中尉が、型が足りないから これで作りましょう。
と作らせたものだ。
エドワードも、一人分なら小さい方だよなと疑問にも思わず
大佐用に持って来た。
純粋なエドワードの行動も、惚れた欲目で自分に都合よく考えがちに
なるもので、
「・・・そうか、そうだったのか。
 この為に昨日は中尉の家に・・・。」
感動で ぷるぷると身体を震わして喜びに浸るロイ。

「んじゃ、皿を用意するな。」と
備え付けのキッチンに足を向けるエドワード。
「鋼の~!」
感極まって、エドワードの後ろから抱き付いてきたロイに
びっくりしたエドワードが、
「な、なんだよ。」と抵抗する。
「ありがとう。 嬉しいよ。」
とエドワードの肩に顔を置いて、礼を伝える大佐に
『そんなに、チョコレートケーキが好きだったんだな。』
と変な感心をして、
「わかったから。」と回された腕を ポンポンと軽くたたいて
外すように促す。

その後、なかなか腕を外さないロイに
気の短いエドワードが、
「ケーキが溶けるだろ~!」と怒鳴られて殴られる事に。

そして、また その数日後
ケーキは 自分だけでなく、軍の皆にも振舞われていた事を知り
大佐が落ち込む事があったりと、
色々な事が、日常として過ぎて行った。

それから、1ヶ月経つ。

例え、自分だけに振舞われたのでなくとも
小さなチャンスを逃す事をするわけもなく、
ロイは エドワードにお礼をするべく
彼らの帰りを心待ちにしていた。

「中尉・・・、
 鋼のたちから連絡は・・・。」
恐る恐る聞いてくる上司に
「いえ、まだありません。」と
はっきりきっぱり短く返す中尉。

「はぁ~」と仕事の手をとめてため息をつく上司を見て、
『まずいわね。
 ここ最近は順調だったけど、
 そろそろエドワード君切れになりそうだわ。』
上司の管理も万全な彼女は、正しくロイの状態を見抜いていた。
早く戻ってくる連絡がきてくれないかしら・・・と
今後を憂えていた。

「大佐は!?」
「えっ、先ほどまで部屋におられましたよ。」
と部屋を覗くと、もぬけの殻。
「やられたわ・・・。」
最近は おとなしかったんで、油断が出たようだ。
もう少しは もつだろうと思っていたが、
エドワード欠乏病は、進行が早いようだ。
皆が、ホークアイ中尉の顔色を伺おうとした時に
軍の電話の1つが鳴り響く。

「はい。東方司令部です。」
これ以上、彼女を刺激する材料を増やしてはいけないと
最速で電話をとり、五月蝿い音を止める。
「あっ、アルフォンス君じゃないですか。
お久しぶりですね~。」
となごやかに話し始めるフュリーに、ホークアイ中尉の視線が止まる。
「え、もう こっちに戻ってたんですか?」と
のんびりと話を続けている彼に、
電話をという仕草で、受話器を渡すように示す。
「あっ、今 ホークアイ中尉に替わりますね。」
と受話器を急ぎ渡す。

「アルフォンス君、お帰りなさい。
 エドワード君は?
 そう、今は出かけているの。

 ええ、戻ったら 1度司令部に顔を出してもらってほしいのよ。
 でも、いつこちらに?
 あら、もう2日前には戻ってたのね。」
アルフォンスからの情報では、
2日前に戻ってきていた彼らは、本来なら軍に顔を出すのが先なのだが、
エドワードが 新しく手に入った文献に熱中していて、
宿から出ようとしなかったらしい。
今朝やっと、文献の解読が終わり一段落したようだ。
『本当にすみません。
 兄さん、1度熱中しだすと動かなくて・・・。
 なるべく、早く司令部に顔を出させますんで。』
電話の向こうから恐縮している礼儀正しい弟には
ホークアイ中尉も甘くなる。
「いいのよ、あなたも大変ね。
 でも、少し困った事になってるから
 早めに顔を出してもらえると助かるわ。
 
 ええ、お願いね。」
と静かに受話器を置きながら、
これで当面は、また大丈夫ね。とほくそえんでいる中尉。
そんな彼女の表情を見て、男陣は背筋が寒くなるのであった。


その頃、久しぶりの脱走が上手く行った事に気を良くしたロイは
ずいぶん前にも、歩いたことがある公園の森の散策を楽しんでいた。
楽しみのない職場に戻る気にならず、
かなり歩いて時間を潰していると、
小高い丘が見える森の端まで来ていた。

小高い丘に伸びる1本の大木を眺め
「そういえば、去年の春には ここで鋼のを見つけたな。」
あの頃は、爛漫の花が咲いている時期だったが
今は、花を咲かせるには まだ少しはやいせいか
木にはちらほらと蕾が見える程度だ。
なんとなく、木に誘われるように丘を上がっていく。
『エドワード・・・、今頃は どこに。』
ぼんやりと エドワードの事を考えながら丘を登りきると。
木の元で見つけたものに目を疑う。
願いすぎて、幻が見えたのか!?と
目をしばたたかせるが、幻は消えない。
『エドワード!!』
喜びに思わず 傍によって、じっとその姿を見入る。

無理をしていたのか、目の下に隈を作ってはいるが
それ以外には大きなケガの跡もなく、
健康そうに すよすよと寝ている。
「全く君は・・・。」
自分を驚かすのが得意な彼は、思うときには傍におらず、
不意をついては姿を現す。

春に近づいたとはいえ、まだまだ昼寝をするには寒いだろうに
こんな所で寝ている彼に、ロイは上着を脱いでかけてやる。

以前、ここで見つけた時には まだ今みたいに
彼を はっきりと好きなんだとは気づいていなかった。
ただ、なんとなく気が惹かれて、気にかかる子供だという程度だったが
「はぁ~、何故君なんだろうね。」
ロイがかけてやった上着の温もりが嬉しかったのか、
顔をうずめるように身じろぐ仕草が
なんだか小動物のようで、可愛い。

ロイは上着から出ている綺麗な金糸を そっと撫でてやりながら
「お帰り。
 無茶はしなかったかい?
 私は 君が旅立つと、いつも ケガがないかと心配するはめに
 なるから、無茶をしないでくれよ。」
起きないように、そっと髪を梳きながら返事を返さない眠るエドワードに
話しかけていく。
「君は、なかなか気づいてくれないようだが
 私は君の事が好きなんだぞ。
 好きな人が、無茶をするのは心配になって当然だろ?
 出来れば、無茶はしないで欲しい。
 そして、傍に出来るだけ居て欲しい。

 君が ここに居ないと思うと寂しくなるよ。」

梳いていた髪から、名残惜しそうに指を離すと、
「ふぁ~!」と大きく伸びをしてエドワードが 唐突に動き出した。
「は、鋼の・・・。」
寝ている彼に告白をしていたロイは、思わずうろたえる。

目をこすりながら起きるエドワードが 大佐に気づくと、
周りをキョロキョロと見回す。
「あれ、ここ司令部じゃないよな?
 なんで、大佐がこんなとこにいるんだ。」

さっきの独白が聞こえていなかったようなエドワードの様子に
ほっとするような、残念な気がするような・・・。
「それを言うなら、君の方だろ。
 こんな所で何をしているんだ。」

「ああ、俺は散歩来がてら 一休みしてたら
 転寝しちゃったみたいだな。」
「全く、まだ寒いのに風邪でもひいたら どうするんだね。」
あきれた口調のロイに、うるさいと言う表情を浮かべそうになったが
自分に掛けられている上着に気がつき、
「サンキュー、これ掛けてくれたんだな。」と
ホコリを叩いて、上着を返す。
「俺は 若いからいいけど、大佐は歳なんだから
 風邪、ひくぜ。」
ほいっと戻された上着を受け取ると、
まだエドワードの温もりがある。
そんな小さな事にも嬉しさを感じる自分を情けなく思いながらも
温もりが去る前に上着に手を通す。

「さて、そろそろ行くか!」
元気良く立ち上がるエドワードに、ロイは遅れて立ち上がる。
「鋼の、どこに?」

とっとと丘を降り始めるエドワードに、慌てて声をかける。
「司令部。
 もとから、そこに行く途中だったからな。」

「そうか、なら一緒に。」と慌てて彼に追いつこうと
歩を早めようとした時、
「大佐~、俺も 結構、あんたの事 好きだぜ。」
ふもとまで降りきったエドワードが叫んでくる。

「鋼の・・・。」
エドワード言葉に、呆然としすぎて 急には反応が返せない。
そんな大佐には構わずに、エドワードは言葉を続ける。
「初めは、嫌なすかしたやろうだとか思ってたけど、
 最近のあんたは嫌いじゃない。

 俺、無茶は絶対にしないとは約束できないけど、
 なるべく、あんたに心配をかけないように気をつけるよ。」

さっきのロイの独り言が聞こえていたのか、エドワードは
ロイの独り言の返事を返す。

ロイは、エドワードの言った言葉がやっと頭の中で理解できる状態になり、
エドワードが 自分にかけてくれた言葉を反芻する。
『鋼のが、エドワードが
 私を好き・・・。』
ロイは、体中に喜びが駆け巡り 頭上では一足早い春が来たのか
花が咲き誇っている。

やっと、やっと伝わった~!
苦しかったこの1年間が、走馬灯のように駆け抜けていく。
全く色恋を解さない小さな想い人に手を焼かせれ、
あの手この手で頑張ってきた日々。
運良くエドワードを自分の家に留める事が出来て、
さらに居ない間の寂しさを実感する日々。
思いがけないラッキーな彼の手料理を食べる事が出来た時間。
喜びと苦労の交互な出来事に、一喜一憂していた事が
今、やっと報われる時が~!!

「エドワード!」
丘を駆け下りて 彼を抱きしめようと一歩踏み出したロイに、
エドワードの言葉が続く。

「あんた、意外に寂しがりやだったんだな。
 まぁ、俺にはアルがいるから いつも一緒にってわけには
 いかないけど、ここに 戻った時には 一緒にいてやるよ。」
そんな嬉しい言葉まで、エドワードの口から語られるとは!
降りる足が、さらに速くなる。

「大佐は、イーストに居る 弟分にしてやるよ!
 まぁ、歳は俺より上だけど、
 俺は心が広いから、年上の弟も面倒みてやるな。」
嬉しそうに、満面の笑顔でエドワードが言い切ると同時に、
駆け下りていたロイは、足が止まり、
急な疾走中に失速したものだから、
そのまま 前につんのめり倒れる事になった。

「大佐、大丈夫か!?
 なにやってんだよ~。」
急に転んだロイに驚いて、エドワードが駆け寄ってくる。
『なにやってるって・・・、それは君だろう~。』

「鋼の~。」情けない表情に、目に涙を浮かべ
しかも、顔に擦り傷と泥をつけた大佐の姿に、
兄貴気質の強いエドワードが、仕方ないな~と
いう風に世話を焼いてやる。
「ほら、大丈夫か?
 あ~ぁ、顔に傷まで作って。
 大佐、本当にドジだよなー。
 アルは こんなに手を焼かせないぜ。」
せっせと、顔に付いた泥と葉っぱを拭いてやる。
「血が滲んでるじゃないかよ。
 俺の事より、あんた 自分の事も心配しろよ。」
と言うと、 ペロリ ペロリと傷を嘗めてやる。

「は、鋼の・・・。」
思わぬ彼の行動に、硬直する。
「どうだ?痛くないか?
 アルがケガをした時もしてやってたんだ。」
エドワードの問いかけに、無言で首をコクコクと縦に振る。
「そっか、じゃぁ大丈夫だな。
 ほら立てよ、司令部に帰ろうぜ。」
ロイを従えて、さっさと歩いていく 漢こ前な兄貴の後ろ姿を見て
『しばらく、弟でもいいかも・・・。』と
エドワードの治療に心を動かされたロイが付いていく。

そんなこんなで、二人の関係は 変わらず、月日が過ぎていく。
少し変わった事といえば、エドワードが頻繁にロイに連絡を
取るようになったり、顔を見せるようになった事と、
ロイが やたらと擦り傷を作るようになって、治療と言っては
エドワードを司令室に連れ込むようになった事。

そして、物語は終わる。
エドとアルの仲良し兄弟に、もう一人歳のえらく離れた弟が一人増え、
3人は、どこまでも一緒に仲良く歩んでゆきましたとさ。
めでたし、めでたし。
締めくくる最後に、『全然、めでたくない~!!』とどこかで
悲しく情けない悲鳴が木霊していたような気もするが、
きっと、気のせい。




[あとがき]

あはは~、こ~んな落ちで許されるんでしょうか?
(えっ、許されない!?)
ODAI最初の月では、もう少し まともだったと思うロイさんも、
月を重ねるごとに 情けなさがバージョンアップし、
この人 最初の頃とは別人になっちゃいました・・・。(苦)
ODAI「ロイエド1年間」は この月で無事コンプリート致しました~!
ODAIの思惑とはかけ離れたお話の数々になった事と思いますが。
このODAIでは、ロイさんの情けなさを追及する事になりました。

しかし、このままでは 余りに可哀想過ぎるので
おまけをつけて、ロイさんの願いが適うお話もアップします。
それは、この後の 「3と4の月の間」で!
ではでは、長々とお付き合い頂きまして
ありがとうございました。
今後は、シリーズでお付き合いくださいね~。


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